IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud の概要

IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud は、クラウド・システムで実行できます。このソフトウェアは、IBM® Cloud または Amazon Web Services (AWS) クラウド・インフラストラクチャーにデプロイできます。

IBM Spectrum Virtualize for Public Cloudソフトウェア

IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud を使用することで、既存の IT アーキテクチャーを、サーバー、ストレージ、およびネットワーク・インフラストラクチャーがパブリック・クラウド環境で提供される、ハイブリッド・クラウドやクラウド・ベースのモデルに移行することができます。IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ライセンス・ソフトウェアは、以下のパブリック・クラウド環境にインストールおよびデプロイできます。
IBM Cloud™
IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ソフトウェアは、サポートされているプロビジョン済みのベアメタル・サーバーにデプロイでき、IBM Cloud でブロック・ストレージを使用し、管理するように構成します。
Amazon Web Service (AWS) EC2 C5 インスタンス
AWS EC2 は、さまざまなユース・ケースに合うように最適化されたインスタンス・タイプを選択することにより、クラウド内でコンピューティング能力を提供する Web サービスです。C5 は AWS EC2 インスタンスの 1 つのタイプであり、計算主体のワークロード用に最適化されています。IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ソフトウェアは特定の C5 インスタンスにデプロイでき、Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) をストレージとして使用し、管理するように構成します。インストールする IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud は、AWS Marketplace を通じて入手できます。AWS Marketplace からのインストール時に、インスタンス・タイプとクラウド・ベース・ストレージを選択できます。

次の表に示すように、ストレージ管理者は IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud によって多くの利点 (簡素化されたストレージ管理、優れた柔軟性と効率性、エンタープライズ・クラスのパフォーマンス、機能、および信頼性など) が得られます。

表 1. IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud の機能および利点
機能 利点
ブロック・ストレージの単一制御点を提供します。
  • 管理の効率性が向上します。
  • アプリケーションの可用性をサポートします。
複数のストレージ・リソースの容量をプールします。
  • ストレージ・サイズの制限を打破します。
  • ストレージをリソースとして、より効率的に管理します。
  • ストレージ・リソースの使用を増やします。
  • ブロック・ストレージ・リソースに対する保守や変更からアプリケーション操作を保護します。
IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ノードとして構成される、ベアメタル・サーバーまたは EC2 インスタンスのペアを実装します。
  • IBM Cloud またはサポートされる AWS EC2 インスタンス内のベアメタル・サーバーに直接インストールします。
  • ハードウェアの単一障害点を回避します。
階層型ストレージを管理します。
  • 階層型ストレージ環境におけるインフラストラクチャー・コストに対するパフォーマンス・ニーズのバランスを取ります。
  • ポリシー主導のストレージ管理をサポートします。これにより、異なる Storage Tier 間で自動的にデータが移動され、パフォーマンスおよびワークロード・バランシングが向上します。
使いやすい管理 GUI を提供します。
  • ストレージの構成タスク、管理タスク、および保守タスクを行うための単一インターフェースをサポートします。
  • 管理者がストレージ・リソースをより効率的に使用できるように支援します。
動的データ・マイグレーションをサポートします。
  • 対象のデータを使用するアプリケーションをオフラインにしない、ストレージ・リソース間でのデータ・マイグレーションをサポートします。
  • アプリケーションを中断しない、ストレージ容量の管理およびスケーリングをサポートします。
IP ネットワーク接続を介した高度なコピー・サービスを提供します。
  • IBM FlashCopy® によるデータ・コピーをサポートします。
  • メトロ・ミラーおよびグローバル・ミラーを使用した、複数のデータ・センター間での高可用性ソリューションを作成するための IP 複製をサポートします。
シン・プロビジョニング、データ削減プール、およびスナップショット複製をサポートします。
  • 標準プールとデータ削減プールの両方でのシン・プロビジョニングをサポートします。これにより、データの変更時にのみストレージを使用して容量要件が削減されます。
  • ホスト・マップ解除や使用可能な容量の再利用などのネイティブ・データ削減機能を備えたデータ削減プールをサポートします。
  • さらに容量を節約するために、データ削減プール内の重複排除ボリュームおよび圧縮ボリュームをサポートします。詳しくは、データ削減プールと重複排除の計画を参照してください。
  • 自動化されたオンデマンド・ストレージ・プロビジョニングによって、生産性を向上させます。
  • 下位の Storage Tier でのスナップショットをサポートします。
ネイティブ IP 複製を使用します。
  • ネットワーク帯域幅の使用を最適化します。

IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ノード

ノードは常にペアでインストールされます。最小で 1 ペア、最大で 4 ペアのノードが 1 つのシステム を構成します。各ノード・ペアは、入出力グループ と呼ばれます。1 つのペアが、1 つのボリューム上での入出力サービスを提供します。1 つのボリュームは 2 つのノードからサービスを受けるため、1 つのノードが故障したりオフラインになったりしても、ボリュームは引き続き使用可能です。

IBM Cloud 上の IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud

IBM Cloud にデプロイされた場合、ノードIBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ソフトウェアが実行される単一のベアメタル・サーバーになります。システム内のノードごとに、IBM Cloud を介して IBM Cloud ベアメタル・サーバーを購入して構成する必要があります。IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ソフトウェアのインストール・プロセス中に、IBM Cloud 上でノードが構成され、システムが作成されます。1 つから 4 つのペアによって 1 つのシステムが構成されるため、どのシステムでも最大 8 つのノードを含めることができます。

IBM Spectrum Virtualize for Public CloudIBM Cloud IaaS にデプロイされることで、ハイブリッド・クラウド・ソリューションが使用できるようになります。このデプロイメントにより、IP を介したリアルタイムの複製を使用して、オンプレミス・データ・センターと IBM Cloud の間でデータをマイグレーションすることができます。IP 複製を使用して、IBM Cloud にデータを永続的にマイグレーションすることも、一時的にマイグレーションすることもできます。また、オンプレミス・データ・センターとクラウド・データ・センターの間、あるいは複数のクラウド・データ・センター間で、災害復旧戦略を実装することもできます。

データは、非同期的に複製することも、同期的に複製することもできます。これにより、、Storwize® ファミリーIBM FlashSystem V9000、あるいは IBM Spectrum Virtualize のシステムを備えたオンプレミス・データ・センターと、IBM Cloud 内の IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud システムとの間で、災害復旧やワークロード・マイグレーションを行うことが可能です。

以下のセクションには、IBM Cloud での IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud の計画とインストールに役立つ情報が記載されています。

Amazon Web Services 上の IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud

Amazon Web Services (AWS) にデプロイされた場合、ノードIBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ソフトウェアが実行される単一の EC2 C5 インスタンスになります。IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud は、AWS Marketplace で入手可能な AWS CloudFormation テンプレートを使用して、インストールを実行し、必要なすべてのオブジェクトをプロビジョンします。インストール・プロセス中に、テンプレートは、完全に構成済みの 2 ノード・システムとして 2 つの EC2 C5 インスタンスを、または、AWS Elastic Block Storage (EBS) ボリュームを使用する管理対象ディスクを持つプライベート・ネットワーク内の完全に構成済みの 4 ノード・システムとして 4 つの EC2 C5 インスタンスをプロビジョンおよび構成します。さらに、インストール・プロセスでは、以下の追加アクションが実行されます。
  • 有効な IBM カスタマー ID を使用して、IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ソフトウェア・ライセンスの使用許諾を検証します。
  • 必要な IP アドレス (管理 IP、各ノード・インスタンスのサービス IP アドレス、ノード IP アドレス、iSCSI ポート IP アドレスなど) をすべて構成します。
  • 必要な AWS サービスのエンドポイントを構成します。
  • AWS 内部サーバーを使用して NTP および DNS を構成します。
  • AWS 要件に基づいて、以下のセキュリティー管理が自動的に構成されます。
    • IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud インターフェースおよびサービス (管理 GUI、セキュア・シェル、iSCSI インターフェースなど) へのアクセス。
    • IP アドレス・フェイルオーバーを含む、IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ノード間通信のアクセス権限と許可。
    • EBS ボリュームを管理するための IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud インターフェースへのアクセス権限と許可。
    • 3 番目の EC2 インスタンス (要塞ホスト) で IP クォーラム・クライアントを構成します。冗長性を確保するために追加の IP クォーラム・クライアントを別個に構成することができますが、そのためには、AWS 管理コンソールで追加の EC2 インスタンスをプロビジョンする必要があります。
注: AWS 環境への IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ソフトウェアの基本インストールには、仮想プライベート・ネットワーキング (VPN) などのセキュリティー機能のサポートは含まれていません。事業継続性ソリューションのために、オンプレミスのインストール済み環境と AWS 構成の間で VPN や類似のテクノロジーが必要になる場合があります。IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud ソフトウェアでサポートされているセキュアな IP 複製および透過クラウド階層化の機能をサポートするために、構成を管理するための代替方法としてセキュアなサイト間 IPsec トンネルを追加することができます。このシナリオの具体的な詳細については、「Implementation guide for IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud on AWS」を参照してください。
以下のセクションには、AWS 上での IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud の計画とインストールに役立つ情報が記載されています。